(イタリア エミリア・ロマーニャ州 ピノ・ネロ80% シャルドネ20%)
1980年代日本がバブルに浮かれていた頃、世界のファッションを牽引していたのはミラノファッションでした。
中でも3Gとよばれたジャンニ・ヴェルサーチ、ジョルジオ・アルマーニ、ジャン・フランコ・フェレは別格で、私見では天才ヴェルサーチ、秀才アルマーニ、立体のフェレ(建築出身)というイメージでした。
天才と秀才では天才の方が良いように思えますが、試験をすると秀才の方が点数を取ってしまうような感じです。
実際、ヴェルサーチの服は着る人に緊張を強いるのに対し、アルマーニの服は気軽に着れ誰もがかっこよく見える服で、商業ベースではアルマーニが一番成功していた気がします。
当時サラリーマンになりたてだった私は、諸先輩方の影響を受け3Gを知り、ついにはヴェルサーチ信奉者となります。
つるしのスーツで25万円以上、オーダーだと50万円以上、シャツが4万円くらいからでちょっとデザインが凝っていたりシルクが入ってしまうと10万円越えがあたりまえと、お布施とでも思わなければサラリーマンにはとても支払えない値段でした。
まあ、生地は素晴らしく、ジャケットはハンガーに吊るしておくだけでしわは取れていましたが。
そのヴェルサーチが別荘も持っていたのが、セレブが集まる有名な避暑地のコモ湖でした。
そのコモ湖畔に立つ超高級ホテルがヴィラ・デステです。
ヴィラ・デステは、元々修道院として建設されましたが、その後16世紀にガリオ枢機卿の離宮として整備され、19世紀初頭にイギリス王妃の邸宅となり、そして1873年からホテルとして運営されるという歴史を持ちます。
1泊10万円くらいからのようですが、観光客向けではなく何日も滞在する避暑用のホテルなので、日本人の感覚ではあまり選択肢に入ってこないホテルだと思います。
そのホテルが宿泊客向けにエミリア・ロマーニャ州の作り手カンティーナ・ロマニョーリに依頼し、高品質のブドウ、瓶内二次発酵、40か月以上の瓶内熟成といったハイスペックで少量生産したのがこのスパークリングワインです。
日本のインポーターは、「一般流通していないワインを交渉の末、何とか少量奇跡的に譲ってもらった」という売り文句をよく使いますが、これもその1本です。
事実はともあれ味は確かですので、お手軽にセレブ気分が味わえるかも?しれません。