(フランス ラングドック地方 ピノ・ノワール100%)
私がワインに興味を持ち始めた頃、ピノ・ノワールはブルゴーニュ以外での栽培が難しいと言われていました。
90年代に入ると日本でもカリフォルニアのカレラやオー・ボン・クリマが話題となり、今世紀に入ったあたりからニュージーランドやオレゴン州のピノ・ノワールも市民権を得ました。
今や世界各地でピノ・ノワールは栽培されるようになり、栽培技術、醸造技術の進歩からそれなりに美味しいワインがたくさん生産されるようになりました。
ブルゴーニュのトップワインの特徴は、高貴でありつつ妖艶さや複雑さを合わせ待ちます。
一方、ブルゴーニュの3000円から5000円クラスの良いワインの特徴は、例えばロマネ・コンティのオーナーのヴィレーヌ氏が作る(第8回に白ワインを頒布)ラ・ディゴワーヌやラ・フォルテューヌに代表されるような、気品を持ちつつ、雑味のないピュアさにあると思います。
現在、色々な地域で造られている低価格帯のピノ・ノワールの中で私が傑出していると感じるものは、上記のピュアさを持ちながら親しみやすい味わいのものです。
このワインもそう感じさせる一本です。
そして、フィロキセラと言うブドウの樹の天敵の害虫対策で、ほとんどのブドウの樹はアメリカ原産の台木に接ぎ木されていますが、このワインは接ぎ木なしの自根のブドウの樹から造られるというのが売り文句です。
希少なのは確かですが、味わいに違いが出るというのは立証されてはいないようです。