(フランス コート・デュ・ローヌ シラー100%)
コート・デュ・ローヌのワイン産地は北部と南部に分けられます。
北部は、ちょうどヴィエンヌからヴァランスまでの60km余りのローヌ川沿いです。
ヴィエンヌは、ポール・ボキューズやトロワグロ兄弟を弟子に持った伝説のシェフのフェルナン・ポワンがオーナーだったラ・ピラミッドがある小さな街です。
日本フランス料理界の草分け的存在の辻静雄氏がフランス料理を学んだレストランでもあります。
現在も、スターシェフのパトリック・アンリルーにより1992年からミシュラン2つ星を維持しています。
ヴァランスには、ラ・メゾン・ピックというジャック・ピックが1973年にミシュラン3つ星を獲得したレストランがあります。
ジャックの死後、星を失いますが、娘のアンヌ・ソフィー・ピックにより2007年に3つ星に復活して現在に至ります。
当時、女性シェフが3つ星を獲得するのはかの有名なユジェニー・ブラジエ以来53年ぶりの快挙として話題になり、現在もフランスにおいて唯一の女性3つ星シェフです。
上記のように両端に歴史的レストランがあることからグルマンには想像しやすい範囲ではないかと思います。
北部の代表的な赤ワインはヴィエンヌの南西に位置するコート・ロティと、ヴァランスの北に位置するエルミタージュです。
そのエルミタージュを取り囲むような地域で造られるのが、エルミタージュの弟分的存在のクローズ・エルミタージュです。
エルミタージュで約8割、クローズ・エルミタージュで約9割が赤ワインで、どちらも黒ブドウとして唯一使用が認められているシラーを85パーセント以上使うことが義務付けられています。
ヴィエンヌの北、セイシュエルの丘は古代ローマ時代には、コート・ロティより評価の高い畑でした。
その後廃れ忘れ去られていましたが、それを復興されるために北ローヌの有名な生産者であるピエール・ガイヤール、イヴ・キュイユロン、フランソワ・ヴィラールがタッグを組み1996年に立ち上げたのがレ・ヴァン・ド・ヴィエンヌで、当時随分と話題になりました。