(オーストラリア 南オーストラリア州 バロッサ・バレー シラー100%)
オーストラリアワインは、約200年前から造られ始めますが、当初はイギリス向けの酒精強化ワイン、第2次世界大戦後からはテーブルワインの生産が主流を占め、私がワインに興味を持ち始めた頃、高級なオーストラリアワインと言えばペンフォールドのグランジくらいしかありませんでした。(それでもデパートで7000円程度だったと思います。)
1990年代にアメリカでカルトワイン(高品質、少量生産、高評価によりオークション等で高額で取引されるワイン)ブームが起こりますが、今世紀に入るとオーストラリアでも同様の現象が起きます。
クリス・リングランドのシラーズやバス・フィリップのピノ・ノワール等がその代表です。
グレッツアーが造るトップキュヴェのシラーズ100パーセントで造るアモン・ラも、2003年ヴィンテージがパーカーポイントで満点を獲得し、一時期アメリカでは1500ドルで取引されていたと言われています。
グレッツアーの名前で出すワインは、アモン・ラを含め4種類。
シラーズにカベルネ・ソーヴィニヨンを15~30パーセント程度ブレンドするアナペレーナ(2005年ヴィンテージまではゴドルフィン)、シラーズ100パーセントで造るビショップ、シラーズにグルナッシュを20~30パーセント程度ブレンドするワラスです。
ビショップは、唯一アモン・ラと同様のシラーズだけから造るワインなのでアモン・ラの弟的な存在と言えます。
これらワインは日本では業務店専用になっていて、通常はレストランでしか飲むことができません。
しかし、このワインはインデントで仕入れられたため頒布可能となりました。
ワイン業界でインデントと言うのは、インポーターが、付き合いのある海外業者の海外在庫のワインリストをクライアントに送り、それぞれのクライアントの要望を取りまとめ、一括してワインをインポートするシステムです。
海外の業者は、付き合いのある世界各地のインポーターにリストを送るため、発注が重なりなかなか手に入らない欠点はありますが、丹念にリストをチェックすれば思わぬ掘り出し物を取り寄せることができます。
このビショップの2001年は、個人で持ち込んだものはあるかもしれませんが、たぶん日本初上陸でしょう。