(ブルガリア シャルドネ100%)
ブルガリアは、今回で3回目の頒布となります。
ポルトガル、ニュージーランド、南アフリカが各3回なので、マイナー地域にしてはよく採用しているのかもしれません。
ブルガリアは、最古のワイン醸造・輸出国のひとつで、ブルガリア人の先祖にあたるトラキア人の遊びと酒の神のザグレウスが古代ギリシャのディオニーソス(ローマ神話のバッカス)の起源とされ、紀元前8世紀に書かれたホメロスの叙事詩にはトラキアワインはギリシャなどに輸出されていたという記述があり、またワインセラーもトラキア人が考え出したものと言われています。
ブルガリアで栽培される主なブドウは、大きく二つに分けることができ、白ブドウのディミャット、ミスケット・チェルヴェン、黒ブドウのパミッド、ガムザ、マヴルッド(第33回頒布)、メルニック等の古代からの土着品種と、国際品種のカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネなどです。
後者の国際品種から造るワインは、土地代や人件費が安いためコストパフォーマンスに優れたものになります。
第4回で採用したプティ・エニーラもその代表ですが、エニーラはボルドーの著名生産者がブルガリアの地でコスパの良いワインを生産する目的で手掛けているのに対し、今回のワインはブルガリアで最大かつ最古の家族経営のワイナリーであるシャトー・ブルゴゾーヌが高品質なワインを目指して造ったものなので、同じくコスパのいいワインですが、成り立ちは真逆な気がします。