(フランス ボルドー地方 メルロ100%)
私が初めてプピーユを飲んだのは、今やオザミ帝国を築き上げている丸山氏がオーナーシェフ兼ソムリエをやっていた本郷の小さなビストロ「竹とんぼ」で、1996年の9月のことでした。
ヴィンテージは1992年、ル・パンを目指しているとかで、メルロ100パーセント、新樽100パーセントで、当時ワインラヴァーが「安くてちょっといいワインを知っているぞ」と言いたくなる代表的なワインでした。
その後しばらくは、新ヴィンテージが出るごとにワイン仲間と飲んだものでした。
オーナーのフィリップ・カリーユ氏が1985年にシャトー・プピーユに戻ってからは品質が年々向上し、シャトー・プピーユのおかげでサンテミリオンの東に隣接するマイナー・アペラシオンのコート・ド・カスティヨンが有名になったといっても過言では無いと言われています。
2005年からは完全有機栽培を実施し、ブドウの出来によって樽木の原産地を変えるというこだわりぶり。
通常、ボルドーワインはファーストのワインにシャトーをつけセカンドにはつけないのが普通ですが、あえてその逆にファーストがプピーユで、セカンドがシャトー・プピーユと名付けられています。
私も、プピーユを飲み始めた頃、レストランのワインリストでずいぶん安いなと思ってオーダーしたらシャトー・プピーユだったことがありました。
現行ヴィンテージをテースティングしてみると、今はセカンドのシャトー・プピーユのほうが楽しめると思います。