(フランス シャンパーニュ地方 ピノ・ムニエ100%)
シャンパーニュに使われる主要ブドウ品種は、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネの3種で、実際栽培されているブドウの99%以上を占めます。(大体それぞれ40%、35%弱、25%強の割合。)
ピノ・ノワールがボディや力強さや深み、シャルドネが豊かで繊細な酸と気品、ピノ・ムニエが果実味と柔らかな口あたりをシャンパーニュに与えるという役割を担っています。
ピノ・ムニエはピノ・ノワールの変異種で、発芽が遅く熟成が早いため、生産性が確実で寒いシャンパーニュ地方において重宝がられた存在でした。
ピノ・ノワールやシャルドネの高貴品種だけから造られるシャンパーニュは、長熟が可能ですが、若くして飲むとボルドーワインのように実力を発揮していないものが多く、手軽にシャンパーニュを飲むのに不可欠なブドウがピノ・ムニエと言えます。
しかし、ピノ・ムニエ100%で造られるシャンパーニュは、数が少ないこともありますが、あまりぱっとしたものがありません。
このシャンパーニュは、樹齢が80年という影響もあるのでしょうか、なかなかいい感じの仕上がりです。(ワイン用のブドウの樹の寿命は120年くらいで、樹齢が高くなると根は地中深くまで伸び、実の数は減り、栄養分の凝縮したブドウができると言われています。)
生産者曰く、「私たちが造りたいのは豪華で非日常のシャンパーニュではない。この地域(コトー・ド・シュッド・デペルネイ)の個性である柔らかく女性的なシャンパーニュを毎日の食卓で楽しんで欲しい。」
まさしくこの言葉を体現したような味わいです。