(モロッコ シラー100%)
フレンチレストランのワインリストは、たとえグランメゾンでも高級ワインだけを並べておけばいいというものではありません。
食べることに興味はあってもアルコールには興味の無い方もいらっしゃいますし、ディナーではなくランチなのでお手頃なワインにしたいと思う時もありますので、グランメゾンほどすべての顧客に対応できるリストを作らなければなりません。
白であれば、ロワール川流域や、コート・シャロネーズ&マコン地区のワイン、赤であれば、ボジョレー地区やラングドック・ルーション地区のワインをオンリストする、といった具合にです。
その中で以前から定番だったのが、コート・デュ・ローヌ地区のアラン・グライヨのクローズ・エルミタージュでした。
特に上級キュヴェのラ・ギロードは、生産本数が限られていたため、グランメゾンとしては是非ともオンリストしたいワインでした。
私は、90年から2000年前半にかけて、さらに本数が少なく超レアなアラン・グライヨのエルミタージュを追っかけたりしたものでした。
そのアラン・グライヨが、サイクリング仲間でもあるボルドー出身の醸造家であり、現在はモロッコのドメーヌを拠点としているジャック・プーランとコラボして造っているワインがこのタンデム・シラー・デュ・マロックです。
モロッコのワインが紹介したかったわけではなく、アラン・グライヨのワインを紹介したかったのですが、クローズ・エルミタージュは第28回に頒布していましたので。
北アフリカに位置するモロッコはイスラム圏ではありますが、かつてはフランス領であったためアルコールには寛容らしく、ワイン造りも盛んなようです。