(イタリア ヴェネト州 コルヴィーナ60% ロンディネッラ30%
モリナーラ10%)
ヴァルポリチェッラはヴェネト州のヴェローナの北方にあるワイン産地です。
イタリアワインは、決まった一つの地場品種をメインに使用することが義務づけられているワインが多いように思います。
バローロやバルバレスコはネッビオーロ100パーセント、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはブルネッロ(サンジョベーゼ・グロッソ)100パーセント、キャンティはサンジョベーゼ75パーセント以上(キャンティ・クラシコは80パーセント以上)、タウラージはアリアニコ85パーセント以上、ガヴィはコルテーゼ100パーセント、ソアヴェはガルガネーガ70パーセント以上、等々。
その中、ヴァルポリチェッラは コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラを主要品種として造られる、イタリアではちょっと異質な感じを受けるワインでした。
以前のDOCの規定では、コルヴィーナ40~70パーセント、ロンディネッラが20~40パーセント、モリナーラが5~25パーセント、その他いくつかの認められた品種を使用可となっていて、高貴な品種のコルヴィーナが70パーセントまでしか使えないことが逆に問題となっていたようです。
現在はコルヴィーナ45~95パーセント、ロンディネッラが5~30パーセント、モリナーラの使用義務はなくモリナーラ含め認められた品種を最大25パーセントまで使用できる、と2010年に変更が行われ典型的なイタリアワインに近づいてきたように思えます。
しかし、その製法に関しては未だに特別なものがあると思います。
乾燥させたブドウから造る甘口のレチョートの他に、辛口のヴァルポリチェッラも3種類の製造方法があります。
普通のワインと同様に造られるもののほかに、アマローネとリパッソと呼ばれるものがあります。
アマローネは、やはり乾燥させたブドウから造る辛口ワインで、数か月の陰干しと最低2年の樽熟成が義務づけられており、高価なイタリアワインの代表です。
リパッソは、アマローネの搾りかすに普通のワインを入れ熟成させた、いわば二番煎じ的なワインです。
アマローネ的な要素を持ちつつ価格が安いのが魅力です。