(ドイツ バーデン地方 ピノ・ノワール100%)
ドイツには13の指定生産地域(2地域は旧東ドイツ)とその中に41に分かれた生産地区があります。
他国同様ブドウを生産する地区が狭くなればなるほど高級ワインとなりますが、高級ワインの生産量の全体に占める割合は、フランスが35パーセント程度なのに対しドイツは90パーセントを超えているという状況です。
またその中でのランクは、ブルゴーニュのような生産地区によるものではなく、ブドウ果汁の糖度によって決まるという、他国と比較するとちょっと変わった格付けを採用しています。
これは、ドイツのワイン生産地が北緯47~52度で世界のブドウの栽培地の北限にあたるためブドウがなかなか完熟せず、かつ以前は甘いワインが持て囃されたと言う歴史があったためで、それゆえ生産量の90パーセントが白ワインだったというのもうなずけます。
しかし、世の中の嗜好は変化し、今ではドイツでも40パーセント以上が赤ワインとなっています。
その中で、最近めきめきと頭角を現してきたのがシュペートブルグンダー、いわゆるピノ・ノワールです。
シュペートブルグンダーは、現在ドイツでリースリング、ミュラー・トゥルガウに次ぐ栽培面積を誇り各地で生産されていますが、その中で高品質なワインを造りだすバーデンやラインガウ地区は、中世まで歴史を遡ればキリスト教に支えられたピノ・ノワールの名産地だったのです。
ツァーリンガー醸造所の創業は1844年と古く、家族経営で25年を超えるオーガニック歴をもつ生産者です。