(オーストラリア ニューサウスウェールズ州 セミヨン100%)
様々な製法によって甘口ワインは造られます。
醸造過程でアルコールを添加し糖を残す酒精強化ワイン、ブドウを干してから造るストローワイン、氷結したブドウから造るアイスワイン、貴腐葡萄から造る貴腐ワイン等です。
スペインのシェリー酒、ポルトガルのポートワインは酒精強化ワイン、イタリアのヴィン・サントやレチョート・デッラ・ヴァルポリッチェラはストローワインの代表で、アイスワインはドイツやカナダの物が有名です。
貴腐ワインは、ある特別な自然の環境下でしか貴腐葡萄はできない為、少し別格なイメージがあります。
貴腐ワインには、世界3大貴腐ワインと呼ばれるものがあります。
フランスのソーテルヌ地方のワイン、ドイツの(トロッケン)ベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイワインです。
その中のキング・オブ・キングと言えばやはりソーテルヌのシャトー・ディケムでしょう。
世の中の嗜好が辛口になり甘口ワインが苦戦する中、安くても未だに3万円以上で取引されています。
それでも、その生産性の低さを考えると破格値ですが。(通常はブドウ2房から1本のワインができると言われていますが、ディケムはブドウの樹1本からグラス1杯のワインしかできないと言われています。またディケムの収穫はブドウの房ごとではなく粒ごとの収穫だそうです。)
そのディケムに対し、ディケムキラーと言われているのがボルトリのノーブル・ワンです。
ディケムの残糖度は出来の良い年でも150g/lぐらいですが、ノーブル・ワンは年によって違いますが210~230g/lくらいあります。
甘ければいいというものではありませんが、この残糖度は驚異的でディケムキラーと言われる所以です。
ノーブル・ワンの弟分であるこのディーン・ボトリティス・セミヨンも残糖度は195g/lあります。
もちろんただ甘いだけでなくしっかり酸とのバランスが取れていると思います。
フォアグラのテリーヌは定番ですが、ブルーチーズと合わせてもいいですし、単独でデザートとして飲んでもいいと思います。