(イタリア ピエモンテ州 ネッビオーロ100%)
イタリアの赤ワイン用の代表的ブドウ品種と言えば、サンジョベーゼとネッビオーロです。それぞれのブドウから造られるもっとも有名なワインはキャンティとバローロでしょう。
「王のワイン」と呼ばれているバローロですが、ジャコモ・コンテルノなどの一部の生産者を除いて品質が高いとは言い難いワインがかつて多く作られていました。そもそも、バローロを造るネッビオーロというブドウは、その種から良質ではないタンニンが出ると言われる品種で、それをうまく処理できなかったのもその理由の一つです。
しかし、1990年代に入るといろいろな醸造テクニックが開発され(たとえば種を沈めたままワインを撹拌し発酵させるとか)、モダンバローロと呼ばれるバローロが造られるようになり、その革新派の生産者達はバローロボーイズと呼ばれました。
ドメニコ・クレリコ、エリオ・アルターレ、パオロ・スカヴィーノ、ルチアーノ・サンドローネらが代表的な生産者です。当時は、伝統派VSモダン派のような図式がありましたが、結果ブドウ生産者の底上げがなされ、バローロ地区だけではなく同じネッビオーロから造られるバルバレスコやロエロ地区のワインの品質も向上するという功績を生みました。
今回のワインの産地であるランゲ地区はバローロやバルバレスコを含む広大な地域で、ランゲ・ネッビオーロはバローロと比べると一般的に早飲みできるワインになります。
このランゲ・ネッビオーロはバローロ地区のブドウから造られており、クレリコの偉大なバローロのセカンド的意味合いを持ちます。(セカンドワインは大抵、ファーストと比べ早飲みに仕上げられます。)
またワイン名のカピズメ・エは、早くから楽しめ理解してもらえるワインだということを知ってもらうために、日本語に訳すると「私をわかってください」と名付けたとのことです。