(フランス 南西地方 タナ80% カベルネ・ソーヴィニヨン20%)
フランス南西部のワイン産地の代表がボルドー地方です。そのボルドー地方の東や南に拡がるボルドーを除いたワイン産地を南西地方と呼んでいます。
ボルドーの東にあるのがベルジュラック地区でボルドーと同じ品種が栽培されています。ベルジュラックの更に東の地区の中で有名なのがマルベックから造られる「黒ワイン」と呼ばれるカオール(第20回頒布)です。
ボルドーの南、スペインとの国境に拡がる地区がピレネー地区で、マディランや甘口ワインのジュラソン、スペインとの国境で造られるイルレギなどが代表的なワインです。
マディランはタナを主体とする赤ワインで、同地区にはジュラソンで使われる品種と同じ、プティ・マンサンとグロ・マンサンから造られるバシュラン・デュ・ヴィック・ビルという日本ではあまり聞くことのない白ワインがあります。
マディランと言えばアラン・ブリュモンなくして語れません。
マディランは伝統あるブドウ栽培地にもかかわらず、知名度の高いボルドーに似たワインや品質の劣るテーブルワインを大量生産するのが常態化していました。
1978年に父からワイナリーを引き継いだアラン氏は、マディランらしいワインを造ろうと思いそれまでタンニンが目立ち粗野なイメージだったタナを中心にしたワインづくりに取り組みました。
1985年に、タナ80パーセント、カベルネ・ソーヴィニョン20パーセントという誰も行ったことのないアッサンブラージュのシャトー・モンテュスを発売して大きな注目を集め、見事にマディランワインを復活させました。
そして1997年にはタナのポテンシャルを世界に知らしめた功績を称えられナポレオン1世により制定されたフランス最高勲章「レジョン・ドヌール」を受勲しました。