(フランス ロワール川流域 シュナン・ブラン30% シャルドネ30% ピノ・ノワール30% カベルネ・フラン10%)
シャンパーニュを造る過程において、瓶内2次発酵と言う工程があります。
これは、その年にできたワインとストックしてあったワインとを調合した(シャンパーニュ地方は寒い地域なのでブドウの出来がその年の気候に左右されるため、品質を一定に保つための方策。)ベースワインに、酵母と糖を添加して瓶詰し発酵させるというものです。
この時、シャンパーニュの一番の特徴である二酸化炭素が発生し発泡酒となります。
発酵終了後、ボトルは働きを終えた酵母の澱と共に寝かせられ熟成させられます。
熟成中に澱に含まれる旨味成分が徐々にワインに戻され、2年で70パーセント、6年で100パーセント戻ると言われています。
熟成期間は、ノン・ヴィンテージと呼ばれる一番ベーシックなもので15か月以上、収穫年のブドウだけから造られるヴィンテージ・シャンパーニュで3年以上と法で定められています。
プレステージものと言われる特別なシャンパーニュは、法規制はありませんが5年から7年ほど熟成させることが多いようです。
近年、醸造技術の進歩により単年度のブドウから十分高品質なワイン造りが可能となったため、レコルタン・マニュピラン(自社畑のブドウだけでシャンパーニュを造る生産者)と呼ばれる小規模な生産者も増えてきました。
しかし、これら小規模生産者は資金力がなく早く現金を手にしたいため、単一年のブドウからシャンパーニュを造ってもヴィンテージを名乗らず(ヴィンテージ・シャンパーニュの方が高額で取引できます。)、ノン・ヴィンテージのシャンパーニュとして早々に出荷することが多々見受けられます。
クレマンの法定熟成期間は9か月ですが、このクレマン・ド・ロワールは、なんと60か月を超える瓶熟を行っています。
熟成が長いと泡はワインに溶け込み繊細となり、味わいは複雑さを増します。
長期熟成によりもたらされる味わいを手軽に体感できるのが、このキュヴェ・サン・ジルです。