(南アフリカ ピノタージュ100%)
ワインの香りの表現のひとつにコーヒーの香りというのがあります。
醸造過程でオーク樽に由来する香りと言われていますが、私の経験ではブドウが焼けてしまうような暑い年のボルドーワインにもよく感じることがあります。
最近、意図的にその香りを抽出している南アフリカのワインを見かけるようになってきました。
ピノ・ノワールとサンソーを交配した南アフリカ特有のブドウにピノタージュという品種があります。(第9回に頒布)
元々、ピノタージュはコーヒーの香りが出やすいと言われています。
生産者がそのピノタージュの特徴をさらに明確にしたいと思い、コーヒー香の特に強いピノタージュを選別したり、醸造でコーヒー香を強めたりしているのです。
名前も、コーヒー、カフェ、バリスタ等々が付き、名前からしてコーヒーの香りがするワインであることをうたっています。
中にはカフェ・カベルネ・ソーヴィニヨンというピノタージュではないワインまで出てくる人気ぶりです。
ワインを表現するにあたり、香りを色々な物に例えますが、正直に言って誰もが明らかに同じ香りを感じとれるワインはそんなに多くはありません。
世界ソムリエ大会に出場するようなソムリエの方ですら、「普通は特徴的な香りなどしないけど、大会では何かに例えなければならないから無理やり○○の香りがすると言ったりしますが・・・」と話しているのを聞いたことがあります。
このバリスタは、誰もがコーヒーの香りというものを感じ取れるであろうワインだと思いますので、是非ワインにおけるコーヒー香というものを腑に落としてください。