(イタリア ピエモンテ州 ネッビオーロ100%)
バローロはこの50年間、すべてのワインの中で最も試行錯誤が重ねられ、それゆえ最も注目をされたワインだと思います。
バローロは19世紀半ばに現在のような辛口のワインになったと言われ、その後「王のワイン」と呼ばれるようになり十分な名声を獲得します。
しかし、原料であるネッビオーロというブドウが厳しいタンニンを持つため、バローロは時間を必要とするワインと言われ、1970年代の頃はあまり人気がなく大手ネゴシアンでないと生産販売が難しいという状況になっていました。
80年代に入ると、新たな醸造技術を取り入れ飲みやすいバローロを造ろうとする、バローロ・ボーイズと呼ばれる集団が登場し、伝統派と革新派の構図が話題となりました。
その結果バローロ地区は活性化され、そして今世紀に入るとそれぞれの生産者がそれぞれの土地に合ったそれぞれのビジョンを持ったバローロを造るようになり、バローロは真の意味でインターナショナルなワインとなったのです。
実際、最近の試飲ではネッビオーロを使用したワインは高品質なものに出会う確率がかなり高く思えます。
シルビオ・グラッソはバローロ・ボーイズを代表する生産者で、1927年創業ですがフレンチオークのバリック(ボルドー地方等で使われる容量225ℓの小樽)を使うモダンなバローロで名高い作り手です。