(チリ パイス100%)
日本のチリワイン輸入量は90年代中頃から徐々に増え2015年にはフランスを逆転し4年連続で1位となりました。
主なブドウは、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランといった国際品種で、少し変わったところでカルメネールが多く栽培されており、チリらしいワインといえばカルメネールでした。
最近、時々パイスという品種から造られるワインを見かけるようになりましたが、実はこのパイスこそチリワインの原点だったのです。
16世紀半ば、スペインのカトリックの宣教師がミサ用のワインを造るために持ち込んだのがこのパイスでした。
スペイン語でパイスは「国」を表すので、特別なものとして扱われていたのだろうし、メキシコではパイスは「布教」を表すミシオンと呼ばれ、キリスト教の布教と色濃く関係していたことが容易に想像できます。
パイスは収量の多い品種で、長い間がぶ飲み用のワインとして大量生産されていましたが、国際品種から造られるチリワインが世界から注目されるようになった90年くらいから徐々に忘れ去られていきました。
近年、栽培や醸造技術の進歩に伴い各国各地で地場品種が再注目されるようになってきましたが、パイスも例外ではありませんでした。
1887年から続く歴史あるワイナリー、ブション・ファミリー・ワインズも樹齢80年の自根のパイス種から現代でも通じる高品質なワインを造りだしています。