(イタリア トスカーナ州 サンジョベーゼ100%)
キャンティ地域では700年代からワインを造っていたという記録があり、キャンティは13世紀には文献に現れるほど古くから存在するワインです。
そして19世紀半ばにベッティーノ・リカーゾリ男爵が、後にリカーゾリ・フォーミュラと呼ばれるブドウ品種の比率を考案しキャンティの礎を築いたと言われています。
その比率は70パーセントのサンジョベーゼ、15パーセントのカナイオーロ、10パーセントのマルヴァジア(後に同じく白ブドウのトレッビアーノを含め10パーセントとなります)、5パーセントの地場品種の赤ブドウ。
サンジョベーゼだけで造ると厳しくなってしまうワインを、香りを薄めずに和らげるのがカナイオーロ、すぐ飲めるように軽くするのが白ブドウの役割だったようです。
1967年にキャンティがDOC(1963年創設)に認定された時、これに倣いマルヴァジアかトレッビアーノを10~30パーセント含まなければならないと規定されます。
このことが結果的にはキャンティの品質を下げることになり、1970年代のスーパートスカーナブームの起因となります。
1995年に規定が変更されサンジョベーゼ100パーセントでもキャンティを名乗れることになりました。
前述のように、古くからキャンティは有名だったので、時が経つにつれ造る地域が拡大し品質差が大きくなったため、キャンティを古くから造っていた中心地域のワインをキャンティ・クラシコとして区別していました。
キャンティは1984年にはDOCG(1980年創設)に昇格しまが、1996年にはキャンティ・クラシコは独立してDOCGなります。
サンジョベーゼの最低使用率は、キャンティの75パーセントに対し、キャンティ・クラシコは80パーセントで、キャンティ・クラシコは2006年から白ブドウの使用を禁止しています。
最低熟成期間もキャンティの4か月に対し、キャンティ・クラシコは11か月です。
ポッジョ・スカレッティといえば、1992年がファーストヴィンテージ、スーパートスカーナの代表となったイル・カルボナイオーレ。当時はこれしか造っておらず、今ではほとんど存在してないキャンティ・クラシコの有名なクローン、サンジョベーゼ・ディ・ラモーレ100パーセントだったため、キャンティ・クラシコを名乗れませんでした。
当時、イル・カルボナイオーレとしての品質に満たないワインはバルク売りしていましたが、既にキャンティ・クラシコと名乗れるようになっていた2009年からセカンドワインの位置づけでリリースを開始したのがこのワインです。