シャンパーニュ地方はフランスにおけるブドウ栽培の北限に当たります。
現在は醸造技術が発達したので大分緩和されたとはいえ、ワインの出来不出来はその年の天候に多大なる影響を受けます。
そこで各メーカーは、シャンパーニュが毎年一定の味わいになるよう、複数年(通常は2~3年)のワインをブレンドします。
そのブレンドをする方法の究極が、ソレラシステムの採用ではないでしょうか。
ソレラシステムとは一般的にはシェリー酒を造る仕方で、樽を何段か積み上げ、一番下の樽からシェリー酒を一部抜き取り瓶詰し、その抜き取った分を上の樽から補充し、そしてまた抜き取った分を上の樽から補充するという作業を繰り返してシェリー酒を熟成させる方法です。
(実際は、必ず樽を積み上げているというわけではないようですが)
この方法ですと、何十ヴィンテージにも渡ってブレンドすることが可能となり、毎年均質なワインを造れることになります。
シャンパーニュの製造にこのシステムを利用しているのでは、ジャック・セロスの特別キュヴェのシュブスタンスが有名ですが、ユレ・フレールはこの手間のかかるシステムをベースとなる所謂ノンヴィンと言われるシャンパーニュに採用しています。
当主のフランソワ・ユレ氏によるとベースとなるシャンパーニュにソレラシステムを導入しているのは、おそらく彼だけとのこと。
ブリュット・リゼルヴ・ラヴィタシオンは1982年以降の全ヴィンテージがブレンドされています。
ピノ・ムニエ50%、ピノ・ノワール35%、シャルドネ15%、ドサージュ9g/l