(フランス ラングドック地方 シラー65% グルナッシュ35%)
フランスの地域圏で2015年まで、ラングドック・ルーション地域圏というのがあり(現在は隣の地域圏と統合されオクシタニー地域圏となっています。)、ここで造られるワインをラングドック・ルーションのワインと呼んでいます。
しかし、有名なワインはほとんどがラングドック地方に集中しています。
ルーション地方で有名なのは、赤のコリウールと甘口のモーリィくらいです。
モーリィは、カカオの香りがしてチョコレートのデザートに合う数少ないワインの一つなので、レストランでは重要なアイテムだと思うのですが、あまり見かけることはありません。
一方ラングドックは、第19回に頒布したスパークリングのクレマン・ド・リムーやブランケット・リムー、第12回で頒布した白のピクプール・ド・ピネ、赤で言えば第5回に頒布したミネルヴォア、トリヴィアのVol.3で扱ったフォジェール、A.O.C.の認定が1948年のフィトゥー、そして今回のコルビエールと有名どころが満載です。
コルビエールは私にとっては思い出深いワインです。
10年ほど前にフランス大使館の招待でラングドック・ルーションのツアーに参加した時のことですが、ランチやディナー時を含め三日三晩コルビエールのみの試飲で、合計300種類くらいを試しました。
使用しているブドウの品種は基本的にはカリニャン、グルナッシュ、ムールヴェードル、シラー、サンソーの中のいくつかで、どれも同じような味わいなため仕事とはいえ、さすがに厳しかった覚えがあります。
南仏のワインは、以前はフランスにおいて低価格帯の代表だったのですが、ニューワールド等のワインがフランスに流入した為、そこそこいいワインへの方向展開を余儀なくされています。
その分値段も上がり、そのワインを日本に持ってくると結構いい価格となり、思い入れはありましたが、コルビエールをなかなか頒布できずにいました。
このワインは、アルノー・シェが生産本数を増やすためにネゴシアン物として造ったワインなので価格が抑えられています。