(ハンガリー フルミント100%)
ハンガリーのトカイワインは、フランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケン・ベーレン・アウスレーゼとともに世界三大貴腐ワインの一つと言われ、その歴史は中世にまで遡り、フランス王ルイ14世に寵愛され、第2次世界大戦まではパリの上流階級の人々などに持て囃された、世界的に大変人気のあったワインです。
戦後ハンガリーが社会主義国になると、その品質は低下し名声は失われていきますが、90年代に入り社会主義政権が終焉し民主化が進むと、その品質は急激に回復し、最近日本へも多くのトカイワインが輸入されるようになってきました。
トカイワインと言うと貴腐ワインのイメージが強いのでどうしても甘口のワインを想像してしまいます。
実際フルミントは晩熟なため貴腐の影響を受けやすく、それゆえ偉大な甘口のトカイワインの主原料となっていますが、以前から辛口ワインも造られていました。
概して甘口のワインを造るブドウから辛口のワインを造ると、香り味わい共に通好みの少しマニアックなものになりがちですが、このドライ・フルミントは非常にきれいな味わいに仕上がっており、ブラインドで飲めば素晴らしい白ワインとしか感じられません。