(イタリア シチリア州 ネロ・ダーヴォラ100%)
イタリアは他の国と比べ土着品種が多く、その数は2000を超えると言われています。
フランスワインを知るにはテロワール(産地の地形、土壌、気候など)から、イタリアワインを知るなら土着品種からと言われます。
今や国際品種とも言える、バローロのネッビオーロや、キャンティのサンジョベーゼも土着品種です。
アブルッツオ州を主な産地としたモンテプルチアーノ(第7回で頒布)、やカンパーニア州とバジリカータ州が主要産地のアリアニコ等が、土着品種としてはメジャーです。
そして、シチリア州の土着品種と言えば、ネロ・ダーヴォラでしょう。
1997年、ソレント近くにあるレストラン、ドン・アルフォンソ1890が南イタリアで初めてミシュラン3つ星を獲得したと言うニュースを聞き、早々に訪れた時、南イタリアにも良いワインがあるとソムリエに勧められたのがタスカ・ダメリータのロッソ・デル・コンテの1984年でした。
当時からシチリア最上のワインと言われてきた1970年がファーストヴィンテージのこのロッソ・デル・コンテもネロ・ダーヴォラ主体に土着品種からなるワインでした。
グルフィ社は2000年に設立されたばかりですが、そのオーナーはパリ育ちのブルゴーニュワイン好きで、土着品種のネロ・ダーヴォラのワインにテロワールの概念を持ち込んだ新進気鋭の生産者です。
ネロ・ダーヴォラ100パーセントからなる畑ごとに仕込まれる4つのクリュワインは、それぞれの個性は異なりますが、ブルゴーニュを彷彿させるエレガントな仕上がりです。
弟分のこのロッソイブレオもエレガントなワインで、現地ワイン専門誌でシチリアNo.1 コストパフォーマンスワインにも選ばれたことがあります。