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ワインのトリヴィアル・パスートVol.11【 ワインと料理のマリアージュ 】

【 ワインと料理のマリアージュ 】

ワインと料理のマリアージュとは、基本的にはワインも料理も単体で味わうのと比べ、一緒に味わう方がそれぞれをより美味しく感じることをいいます。
別に難しいことではなく、皆さんも普段から意識しないでマリアージュを楽しまれていると思います。
例えば、チョコレートを食べるときコーヒーを飲むと、それぞれをよりおいしく感じるのではないでしょうか。
刺身にわさびと醤油、ご飯に梅干しもマリアージュと言えると思います。
ワインに近いところで言えば、日本酒とからすみを合わせた時の旨さといったら鉄板ではないでしょうか。
ワインと料理のマリアージュのさせ方はいくつかの基本があります。
まずは、色を合わせるというものです。
白ワインには、白身の魚や鶏肉などの白い肉、赤ワインには牛肉などの赤い肉やマグロの赤身を合わせるなどです。
次に、香りを合わせるというやり方です。
黒コショウなどを使った料理には、黒コショウの香りがするスパイシーなローヌのシラーを、ハーブを使った料理にはミントの香りがするようなさわやかな白ワインを合わせます。
そして、もう一つは産地を合わせるという仕方です。
牛肉の赤ワイン煮というブルゴーニュの郷土料理にはブルゴーニュの赤ワイン、キッシュ・ロレーヌにはアルザスの白ワインと言うようなやり方です。
どのやり方にしても、素材、ソース、調理法、添え物などの何かしらとの共通点を見つけて合わせます。
例えば、クリームソースには、クリーミーなしっかりした白、燻製した料理には香ばしい香りがするようなワイン、キノコ(トリュフ)が添えてあれば、熟成した赤ワインとか。
また、料理に足らない物を補うようなやり方もあります。
生ガキを食べるとき、レモンを絞ったり殻の中に含まれる海水と一緒に食べると美味しく感じられるので、フレッシュな酸を持ち且つミネラルを感じるようなニュージーランドのソービニヨン・ブランを合わせればその相性は抜群だと思います。
(ワインの酸は主に酒石酸やリンゴ酸で、レモンの酸のクエン酸とは質が違うという意見もありますが、実際に試すと私も含め多くの方がよく合うと感じるようです。)
それとマリアージュとはちょっと考え方の違う合わせ方もあります。
霜降りのステーキなどで、口の中が少し油っぽくなるような時、それをリセットする意味で、ボルドーの少し渋い赤ワインを合わせるようなやり方です。
ちょうど寿司を食べるときにお茶で口の中をさっぱりさせるというのと同じ考え方ですね。
どんなワインを選べばいいかを迷った時は、シャンパーニュのような泡ものであれば懐が深く守備範囲が広いですし、また、イタリアワインは大らかなのか、料理との関係は結構破綻しません。
ここまで、ワインと料理のマリアージュについて基本的な考え方を書かせていただきましたが、結局は個々人が美味しく感じるかどうかによるものなので、正解は皆さんの中にあります。
目玉焼きを食べるとき、ソース、ケチャップ、マヨネーズ、醤油、塩など、皆さんそれぞれ好みがありますよね。
マヨネーズは卵が原料なので目玉焼きとは一番合うはずだ、などと言ったところで何の意味もありません。
皆さん独自のベストカップルを見つけて、食事を楽しんでいただけたらと思います。