【 シャンパーニュのブドウ品種 】
フランスのシャンパーニュ地方で厳しい規定にそって造られた発泡酒だけが、シャンパーニュと名乗れます。
使われる主要品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3種類。
しかし、最初に日本に入ってきた情報が間違っていたのか、“この3種類しか使ってはいけない”と誤解されています。
シャンパーニュを専門に扱った色々な本にも、間違った記載が今も散見されます。
10年ほど前に、オブリ・フィス社の「ル・ノンブル・ドール カンパナイエ・ウェテレス・ウィテス ブリュット」が出回るようになって、3種類以外のブドウを使用していいことが知れ渡るようになりました。
このシャンパーニュのインポーターは、当時、「シャンパーニュに使っていいブドウ品種は8種類(シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、プティ・メリエ、アルバンヌ、フロモントー、アンフュメ)。カンパナイエ・ウェテレス・ウィテスは1998年ヴィンテージまでは7品種を、1999年ヴィンテージからは全品種を使用したシャンパーニュ」と説明していました。
原文を読んだわけではないので正確かどうかはわかりませんが、実際は1919年に交付された規定による、ピノ系品種とアルバンヌ、プティ・メリエが使用可能品種。シャルドネはピノ系品種ではありませんが、当時は間違ってピノ系品種と認識されていたため使用可能、とのことのようです。
現在は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、アルバンヌ、プティ・メリエの6種類が監督官庁により使用可能な品種として認定されていますが、慣習上、上記8種類のブドウを使用したシャンパーニュもシャンパーニュとして認められているそうです。
私は、レストランでのワインの注文の仕方について質問を受けることが多いのですが、その時は次のように答えることにしています。
「ソムリエの方に相談するのがいいと思います。でも、相談する前に、ソムリエに知らないふりをしてシャンパーニュに使用可能なブドウの品種を聞いてみてください。もしそのソムリエが、『シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3種類』と答えたら、残念ながら独力でワインを選んでください。」と。