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ワインのトリヴィアル・パスートVol.14【 ボジョレー・ヌーヴォー2 】

【 ボジョレー・ヌーヴォー2 】

前回に引き続きボジョレー・ヌーヴォーの話ですが、今回はキャッチコピーについてです。
毎年、ボショレー・ヌーヴォーが解禁されるとき、ちょっと大げさなその年の品質をうたったキャッチコピーを耳にします。
ボルドーやブルゴーニュワインのヴィンテージは、流通価格に明確に反映されますので常に意識していますが、ボジョレー・ヌーヴォーはその出来不出来が価格に影響を及ぼすことはあまりなく、また私は商材として扱ったことが無いため、ヴィンテージを気にすることは今まで殆どありませんでした。
前回のトリヴィアを書くときにキャッチコピーについても少し触れようかと思い、ネットで調べてみると、キャッチコピーは実は2種類あることを知りました。
ひとつはボジョレーワイン委員会が発表するもの、もう一つは日本の業界関係者のコメントだそうです。
私が耳にしていたのは販促を煽るようなコピーですので多分後者の方だと思います。
しかし、前者は明確ですが、後者はどうやって決まっているのかがよくわかりませんでした。
検索して行き着いた夕刊アメーバ―ニュースによると、あるライターが2006~7年頃に「ボジョレー・ヌーヴォーは毎年褒められるけど、一体いつの物が本当に良いのか」を知るために図書館に行き、新聞の縮刷版を調べまとめたのが始まりだそうで、その後ネット上の誰かにより更新されているとのことでした。(出典によって何種類かあるようです。)

各年のコピーは下記の通りです。(95~14は夕刊アメーバ―ニュースから、15はウィキペディアから引用)

95年「ここ数年で一番出来が良い」
96年「10年に1度の逸品」
97年「1976年以来の品質」
98年「10年に1度の当たり年」
99年「品質は昨年より良い」
00年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」
01年「ここ10年で最高」
02年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」
03年「100年に1度の出来」「近年にない良い出来」
04年「香りが強く中々の出来栄え」
05年「ここ数年で最高」
06年「昨年同様良い出来栄え」
07年「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」
08年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
09年 「過去50年でも素晴らしい出来」
10年 「1950年以降最高の出来といわれた2009年と同等の出来」
11年「近年の当たり年である2009年に匹敵する出来」
12年「ボジョレー史上最悪の不作」
13年「小粒だが味の濃いブドウが収穫できた」
14年「近年の当たり年である2009年と肩を並べるクオリティ」
15年「過去にグレートヴィンテージと言われた2009年を思い起こさせます」

実際はコピーを読んでもいつがいいのかはよくわかりませんが、03年が「100年に1度の出来」、そして05年が「ここ数年で最高」、09年が「過去50年でも素晴らしい出来」と言うことなので、とりあえず現チャンピオンは2009年と言うことでしょうか。(10年、11年、14年、15年はドロー防衛ですかね。)

因みにボジョレーワイン委員会が発表しているのが下記のコピーです。(ウィキペディアから引用)

02年「色付きが良く、しっかりとしたボディ」
03年「並外れて素晴らしい年」
04年「生産者の実力が表れる年」
05年「59年や64年、76年のように偉大な年の一つ」
06年「とてもうまくいった年」
07年「果実味が豊かでエレガント」
08年「フルーツ、フルーツ、フルーツ」
09年「数量は少なく、完璧な品質。桁外れに素晴らしい年」
10年「果実味豊かで、滑らかでバランスの取れた」
11年「3年連続で、偉大な品質となった」
12年「心地よく、偉大な繊細さと複雑味のある香りを持ち合わせた」
13年「繊細でしっかりとした骨格。美しく複雑なアロマ」
14年「エレガントで味わい深く、とてもバランスがよい」
15年「記憶に残る素晴らしい出来栄え」