【 スパークリングワイン 】
スパークリングワインにあたる各国の言葉は、フランスではヴァン・ムスー、イタリアではスプマンテ、スペインではエスプモーソ、ドイツではシャウムヴァイン、日本では発泡性ワインです。
フランスのシャンパーニュもヴァン・ムスーに違いはなのですが、シャンパーニュはシャンパーニュでヴァン・ムスーとは言いません。
ですから、フランスのスパークリングワインはシャンパーニュ(6気圧程度)とヴァン・ムスーに分けられ、ヴァン・ムスーの中にムスー(6気圧程度)とクレマン(3~3.5気圧程度)があることになります。
ちなみに、ムスーとクレマンの両方を造っているのはカルカソンヌの南に位置しスパークリングワイン発祥の地とされるリムーと呼ばれる地域。
それぞれブランケット・ド・リムー、クレマン・ド・リムーと呼ばれています。
イタリアでは、スプマンテのほとんどがシャルマー方式で造られます。(製造方式に関しては下記を参照)
スプマンテを代表するフランチャコルタは、シャンパーニュ方式で造られますが、流通価格もシャンパーニュ並みですので、イタリアワインフリークもスパークリングワインだけはシャンパーニュを好むと言われています。
スペインのスパークリングワインはそのほとんどがシャンパーニュ方式で造られるカバで、流通価格も安く抑えられています。
使用するブドウの品種が違うため、味わいはシャンパーニュとはずいぶん異なりますが、気軽にスパークリングワインを飲みたい時には、筆頭候補として挙げられます。
ドイツでは、スパークリングワインは4つに分類され一番下のクラス以外はゼクトと呼ばれ、ブドウの産地が限定されているゼクト・ベー・アーが最高級品です。
一般的にスパークリングワインと呼ばれるのは3気圧以上のガス圧を持った物で、それ以下の物とは区別されます。
それらをフランスではペティアン(2気圧程度)、イタリアではフリザンテ、ドイツではペルルヴァイン、日本では弱発泡性ワインと言います。
スパークリングワインの製法は、シャンパーニュ方式、シャルマー方式、トランスファー方式、メトード・アンセストラル、炭酸ガス注入方式等があります。
シャンパーニュを造る際に使用されるシャンパーニュ方式は、1次発酵を終えたワインに、新たに酵母と糖を加え瓶内2次発酵させる一番手間のかかるやり方です。
シャルマー方式は、2次発酵をタンクで行うやり方でシャンパーニュ方式と比べると泡が荒くなる傾向にあります。
トラスファー方式は、ドイツで考案された上記2種の方式の中間的のやり方で瓶内2次発酵させた後、澱引きという酵母の死骸等の不純物を取り除く仕方を簡素化したもので、日本ではそんなに流通していません。
メトード・アンセストラルは、1次発酵の途中でまだ糖の残っているワインをそのまま瓶に詰め2次発酵させる古典的な方式です。(第11回配布ラ・ヴィ・アン・ローズがこの方式です。)
炭酸ガス注入方式は、コーラなどの炭酸飲料水と同じやり方で低価格のスパークリングワインに採用されます。
多少詳しく書きましたが、プロでもブラインドでどの方式を採用しているかを間違いなく言い当てられるわけではありませんので、シャンパーニュ方式とそれ以外があるとだけ覚えていていただけたら良いと思います。
シャンパーニュ方式の場合、泡立ちが細かく滑らかな飲み口となり、特に瓶内2次発酵の期間が長いと複雑な高級感のある味わいとなります。