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ワインのトリヴィアル・パスートVol.20【 E.ギガル 】

【 E.ギガル 】

私の大好きなワインに「ギガルの三つ子の兄弟」と言われる、コート・ロティの単一畑から造る、ラ・ムーリーヌ、ラ・ランドンヌ、ラ・トゥルクがあります。
ラ・ムーリーヌは1966年がファーストヴィンテージでシラーが89パーセント、ヴィオニエが11パーセント、ラ・ランドンヌは1978年がファーストヴィンテージで100パーセントシラー、ラ・トゥルクは1985年がファーストヴィンテージでヴィオニエを7パーセントブレンドしています。
私の一番のお気に入りは、エチケットも華やかなラ・トゥルクです。
ワインの専門用語でシルキーな、と言う表現がありますが、私はこのワインを初めて飲んだ時に、シルキーと言うのはこういうことを言うのかと腑に落ちたワインです。
ギガル社は、エティエンヌ・ギガルによって1946年に創業され、瞬く間にコート・ロティの雄となった会社。
以前、ネットショップのコンサルをやっていた時、海外のリストにコート・ロティ・オマージュ・エティエンヌ・ギガル1989年と言うワインを発見し、かなり高かったのですが存在すら知らなかったので取り寄せてみました。
ネット販売するうえで情報が何もなかったので、ギガル社に直接メールをすると丁寧な返事が返ってきて、世界を相手にしているしっかりした企業なんだなーと改めて思った記憶があります。
このワインはエティエンヌ氏がなくなった翌年の1989年、現当主マルセル氏がレジオン・ドヌール勲章を受章した1990年、そしてシャトー・ダンピュイ取得10周年の2005年にだけ造られ、一般販売はされてないワインでした。
その時、ショップの看板の一つとして売れなくてもいいからと思い、50万の値段を付けさせていただきましたが、すぐに売れてしまいました。
ご存知の方がいらっしゃるんですねー。
私がワインに興味をもった1980年代と比べ、一部のワインは信じられないほど値段が高騰してしまいました。
現在は10万円前後で販売されている5大シャトーは、当時は1万円程度で販売されていて、1991年ヴィンテージの5大シャトーが一般流通し始めた時はデパートで購入しても5,000円を切っていました。
今は、100万円ではとても購入の出来ないロマン・コンティも、当時は10万円も出せば買えました。(それでも高いですが。)
そんな中、当時からほとんど販売価格が変わっていないワインがこのギガルの3兄弟で、ヴィンテージによって差はありますが25,000円程度で現在も購入可能です。
何かのお祝いがあるときは、味わいや品質が5大シャトーに勝るとも劣らない、ギガルの3兄弟はお勧めです。