【 スペインワイン 】
スペインワインの歴史は紀元前10世紀ごろに始まっており、19世紀後半にはリオハのワインで世界的に有名になります。
その後、政治体制の影響により一時停滞しますが、日本で一般的にワインが飲み始められるのと同時期の70年代に復活し、さらにここ10年、若手醸造家たちの活躍により目覚ましい進化を遂げていると思います。
実際、日本の市場においてもスペインワインの輸入量はこの10年間に急激に伸び、10年前の約3倍、5年前の約2倍となっています。
インポーター数の増加とともにアイテム数も激増しています。
1980年代に日本で目にしたスペインワインと言えば、先述した19世紀後半にリオハのワインを世界的に有名にした立役者であるマルケス・デ・リスカルを代表とした数種のリオハのワインとリベラ・デ・ドゥエロの超高級ワインのベガ・シシリアくらいでした。
実際、当時のスペインワインで世界に認められた高級ワインはベガ・シシリアだけでした。
しかし、1990年頃から各地で高級ワインが生産されるようになります。
リオハ地区のロダのシルシオン(1998年ファーストヴィンテージ)、ベンハミン・ロメオのコンタドール(1999年同)、リベラ・デ・ドゥエロ地区のドミニオ・デ・ピングスのピングス(1995年同)、プリオラート地区のクロ・エラスムスのクロ・エラスムス(1989年同)、アルバロ・パラシオスのレルミータ(1993年同)、トロ地区のヌマンシア・テルメスのテルマンシア(2000年同)、フミージャ地区のエル・ニドのエル・ニド(2002年同)などがその代表です。
どれもがロバート・パーカー氏が高得点を付けたことにより一躍有名となり新しいワインとしては高額な値付けでした。
以前、量販店のインターネットにおけるワイン販売のコンサルの仕事に携わっていた時、ヌマンシア・テルメスのテルマンシア2004年ヴィンテージを3本仕入れましたが、売価が3万円を軽く超えていましたので、しばらく全く動きませんでした。
ところがある日、3人のお客様が1本ずつ購入をされ1日で売りきれてしまったので、何が起きたかと思ったら、ロバート・パーカー氏のワインアドヴォケイトの最新号で満点を獲得したためだとわかりました。
そして時代は移り変わり現在のスペインワインと言えば、安くて美味しいワインの宝庫となっています。
私の感覚で言うとチリワインもコストパフォーマンスに優れたワインが多々ありますが、外れが無いのがスペインワインです。
ワインバーでワインの選択に迷われた時、同価格帯の中ではスペインワインを選択することを私はお勧めします。