ワインのコンシェルジュ

ライブラリー

ワインのトリヴィアル・パスートVol.26【 テタンジェ・コレクション 】

【 テタンジェ・コレクション 】

前回のトリヴィアで扱ったシャトー・ムートン・ロートシルトのように、ボトルのエチケットが毎年違うワインがあります。
ムートン同様に有名なのがシャンパーニュのテタンジェ・コレクションです。
ムートンはエチケットの一部がデザインスペースなのに対し、テタンジェ・コレクションはボトルをプラスチックで覆いボトル全体がデザインスペースになっています。
1983年にリリースされた1978年ヴィンテージ以来13ヴィンテージが発表されています。
プラスチックで覆われているため冷しづらいのが難点で、そのせいかオンリストしているレストランも少なく、客がオーダーしているのを未だ嘗て見たことがありません。
私の大好きなワインの一つで、ネットが発達していない時代にファーストヴィンテージがどうしても欲しくてランスの本社まで行きましたが、「在庫はないからオークションで買ってくれ」と無下に言われがっかりしたこともありました。
ムートンが多岐にわたるアーティストを起用しているのに対し、こちらは現代美術のアーティストを採用しています。

1978年(1983年リリース)ヴィクトル・ヴァザルリー(ハンガリー)
1981年(1985年リリース) アルマン(フランス)
1982年(1987年リリース)アンドレ・マッソン(フランス)
1983年(1988年リリース)マリア・エレナ・ヴィエイラ・ダ・シルヴァ(ポルトガル)
1985年(1990年リリース)ロイ・リキテンスタイン(アメリカ)
1986年(1992年リリース)ハンス・アルトゥング(ドイツ)
1988年(1994年リリース)今井 俊満(日本)
1990年(1996年リリース)コルネイユ(オランダ)
1992年(1998年リリース)マッタ(チリ)
1998年(2003年リリース)ザオ・ウーキー(中国)
2000年(2007年リリース)ロバート・ラウシェンバーグ(アメリカ)
2002年(2011年リリース)アマドウ・ソウ(セネガル)
2008年(2016年リリース)セバスチャン・サルガド(ブラジル)

因みに、アルマンが同年、アンドレ・マッソンが1957年、マッタが1962年にムートンのエチケットにも採用されています。

シャンパーニュで人気があるものは、クリュッグやボランジェ等のボディのあるしっかりした飲み口の物が多いのですが、テタンジェは軽い飲み口が特徴で和食に良く合うシャンパーニュだと思います。
一方、テタンジェ・コレクションの味わいは多彩で、やっとの思いで手にいれたファーストヴィンテージの1978年物は、私が飲んだシャンパーニュの中で記憶に残る1本です。