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ワインのトリヴィアル・パスートVol.3【 レオン・バラル 】

【 レオン・バラル 】

私の好きなワインの造り手に、ラングドックでフォジェールを造っているドメーヌ・レオン・バラルというのがあります。
レオン・バラルは93年に創立された新しいドメーヌで、フォジェール(カリニャン60%、グルナッシュ30%、サンソー10%)、そのスペシャル・キュベのフォジェール・ジャディス(シラー50%、カリニャン40%、グルナッシュ10%)、そして最上キュヴェのフォジェール・ヴァリニエール(ムールヴェードル80%、シラー20%)を造っています。
(セパージュはヴィンテージによって多少異なります。)

そのジャディスの94年が、世界的なワインコレクターであるピーター・ツーストラップ氏により97年に開催されたブラインドテースティング会で、シャトー・マルゴー等を抑えトップになったことで、レオン・バラルは一躍有名になりました。
この最上級キュヴェであるヴァリニエールは、2000年と2001年はAOCフォジェール(AOCとは、ワインの品質を保つため産地や収穫量等、数々の規定を設けたフランスのワイン法)を名乗れず、単なるヴァン・ド・ターブルでリリースされました。

ヴァン・ド・ターブルはヴィンテージの表記を禁じられているので、2000年は数字の代わりに、あひるに卵、卵、卵、2001年はあひるに卵、卵、ひよこでヴィンテージを表わしていました。
その理由はというと、2000年、2001年は官能検査(テイスティング)の担当官がフォジェールの味わいにふさわしくないということで、ヴァン・ド・ターブルでのリリースとなり、2002年から担当官がかわり再びフォジェールになったというものでした。

確かに、フォジェールはカリニャンを40%以上使うという規定をされているので、ヴァリニエールはフォジェールと名乗れないのかも知れません。
しかし品質を上げるがための試みを、本来品質を維持するためのAOCの担当官で左右されてしまうなんて、なんだか変ですね。