【 ミュジニー 】
ロマネ・コンティの畑がある絶対王者のヴォーヌ・ロマネ村の北にシャンボール・ミュジニー村はあります。
シャンボール・ミュジニー村には、北端で生産されるボンヌ・マールと、南端で生産されるミュジニーと二つの特級ワインがあります。
同じ村で造られる特級ワインですが、パワフルなボンヌ・マールに対し優雅なミュジニーと味わいは異なり、ブルゴーニュラヴァーから断トツの人気を誇っているのがミュジニーです。
ミュジニーの畑は、北からレ・ミュジニー、レ・プティ・ミュジニー、ラ・コンブ・ドルヴォーの3つの区画に分けられます。
ミュジニーの畑の7割を所有するコント・ジョルジュ・ヴォギュエ(7.20ha)がレ・プティ・ミュジニーの全てとレ・ミュジニーの1部、ジャック・プリュール(0.77ha)がラ・コンブ・ドルヴォーの全て、そしてジャック・フレデリック・ミュニエ(1.13ha)、ジョセフ・ドルーアン(0.67ha)、ルロワ(0.27ha)、ド・ラ・ヴージュレー(0.21ha)、ルイ・ジャッド(0.17ha)、ドルーアン・ラローズ(0.12ha)、フェヴレ(0.13ha)、ジョルジュ・ルーミエ(0.10ha)等がレ・ミュジニーを細かく分け合って所有しています。
この他では、クリスチャン・コンフュロンのミュジニーを飲んだことがありますし、ルロワの醸造長を務めたこともあるアンドレ・ポルシュレがミュジニーのモノポールのミュジニー・ド・ポルシュレを所有し年産40本のミュジニーを生産していたり(2014年に畑を売却)、ブルゴーニュ屈指の醸造家であるドミニク・ローランがミュジニーを所有している生産者のブドウでミュジニーを造っていたりします。
ポルシュレほどではありませんが、ほとんどの生産者が1樽とか2樽とかしか仕込めないのでせいぜい400~1000本程度しか生産できず、どれもが幻のワインです。
また、ヴォギュエの所有する7.2haのうちの0.65haにはシャルドネが植えられていて、コート・ド・ニュイ地区では唯一の白ワインのグラン・クリュであるミュジニー・ブランが生産されています。
ブドウの樹の植え替えにより、1993年ヴィンテージを最後にブルゴーニュ・ブランとしてリリースされていましたが、2015年ヴィンテージからミュジニー・ブランとして待望の復活をとげました。
ブルゴーニュ・ブラン時代もブルゴーニュ・ブランとしてはあり得ない5万円程度(法的にはミュジニーを名乗れるのでしょうがないでしょうか)で取引されていましたが、2015年のミュジニー・ブランは15万円程度で取引されているようです。
ミュジニー好きの私は、アンドレ・ポルシュレとドミニク・ローラン以外の上記ミュジニーを少なくとも1度は飲んだことがあるのですが、今やルロワが250万円、ルーミエが150万円、多分一番低価格であろうドルーアン・ラローズのでさえ5万円ぐらいはするので、とても飲めないワインとなってしまいました(涙)。