【 垂涎の白ワイン・フランス編 】
辛口白ワインの最高峰といえば以前のトリヴィアにも書きましたがモンラッシェです。
中でもDRCがダントツです。ルフレーヴ、コント・ラフォン、ミッシェル・クトーが造るモンラッシェも一度は飲んでみたいワインです。
モンラッシェ以外のモンラッシェ系グランクリュではルフレーヴが有名ですが、知る人ぞ知る、なのが生産量の少ないミッシェル・ニーロンのシュヴァリエやバタールです。
ムルソーのカリスマといえばコシュ・デュリです。コシュ・デュリのムルソー・ペリエールは、間違いなく一番高いムルソーです。産地は違いますが、コシュ・デュリの造るコルトン・シャルルマーニュは、ペリエールをはるかに超えた額で取引されます。
ムルソーのもうひとりの雄はコント・ラフォンですが、今やアルノー・アントのムルソーの方がプレミアム化しています。
また、ムルソーの一番の畑といえば先述のペリエールですが、その中心にあるのがアルベール・グリヴォーが単独所有するクロ・デ・ペリエールです。
ムルソー村は「かつて特級の申請をしなかったため1級の畑しかない」と言われていますが、特級に昇格するとしたらこのクロ・デ・ペリエールと噂されています。
以上のブルゴーニュは、白ワインの名産地コート・ド・ボーヌの物です。コート・ド・ボーヌでは上質な赤ワインも造られるのですが、赤ワインの名産地といえばコート・ド・ニュイになります。
コート・ド・ニュイでは、白ワインはあまり造られていません。
そんな中、白眉なのがコート・ド・ニュイ唯一の白のグラン・クリュであるコント・ジョルジョ・ヴォギュエが少量生産するミュジニー・ブランです。ブドウの樹の植え替えを行ったため、1994年から2014年までは、格下げをしてブルゴーニュ・ブランとしてリリースされていました。
シャブリの2トップは、フランスワ・ラヴノーとルネ・エ・ヴァンサン・ドゥーヴィサです。
マニアックなところでは、ラロッシュのレ・ブランショ・レゼルヴ・ド・ロベディアンスがあります。
ボルドー地方では、5大シャトーのオー・ブリオンやマルゴーが造るオー・ブリオン・ブランやパヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴーが辛口白ワインの代表ですが、ボルドーと言えば、なんといっても甘口ワインです。
世界一の貴腐ワインシャトー・ディケムを筆頭に、その弟分のシャトー・ドゥ・ファルグ、瓶詰までに少なくとも15年はコンクリートタンクで熟成されるシャトー・ジレット、シャトー・ドワジ・デーヌの特別キュヴェ、レクストラヴァガン、シャトー・クーテの特別キュヴェ、キュヴェ・マダム、シャトー・シュデュイローの特別キュヴェ、キュヴェ・マダム
は、デザートワイン好きなら飲んでおかなければならない逸品です。
アルザスワインでは、なんといってもアルザスのロマネ・コンティと呼ばれるトリンバック社のリースリング・クロ・サン・テューヌです。
時々、オールドヴィンテージのオファーがあるのですが70年代ともなると20万円くらいの出費を覚悟しなければなりません。
ロワール地方のナンバーワンといえば、以前はド・ラドゥセット社のプイィ・フュメ・バロンド・Lでしたが、現在では間違えなくディディエ・ダクノーの造るワインでしょう。
プイィ・フュメのシレックス、サンセールのル・モン・ダネがそれぞれの地区のフラッグシップです。
しかし、ダグノーには年産500本程度といわれる幻のワインがあります。
その名は、アステロイド。接ぎ木をしていない樹齢85年以上のソーヴィニヨン・ブランから造るプイィ・フュメです。
スペインのジローナに、エル・セレール・デ・カン・ロカというレストランがあります。
長男がシェフ、次男がソムリエ、三男がパティシエを担当している、世界のベストレストラン50で1位を取ったこともあるミシュラン3星店です。
一度だけ訪問したことが有るのですが、店名にセラー(セレール)という言葉が入っていることから想像できるように、ワインリストは赤と白に分かれ、それぞれが電話帳のぶ厚さでした。
食後に次男のソムリエがセラーを案内してくれましたが、そこで自慢げに引っ張り出してきたのがアステロイドでした。
今回ご紹介したワインで、残念ながら唯一私が未経験なのがこのアステロイドで、私にとってもあこがれワインとなっています。
どなたか飲むような機会があったら是非お声がけください。