【 ボルドー 2009・2010ヴィンテージ 】
ボルドーのグレートヴィンテージといえば20世紀では1929年、1945年、1961年、1982年ではないでしょうか?
1982年は、バレルテースティングでイギリスの有名評論家が軒並みだめだしする中、アメリカのロバート・パーカー氏が世紀のヴィンテージと評し、結果パーカー氏が正しかったことから、ロバート・パーカー時代の到来となります。
1990年以降は、栽培技術、醸造技術が進歩したことにより全くの外れ年というのがなくなりました。
とはいえ、天候の良い年のグレートヴィンテージのワインはやはり別格です。
ワインの仕事に携わるようになり、毎年ボルドーの新しいヴィンテージの試飲会に参加するようになりました。
1級シャトーの物は流石に出展されていませんが、スーパーセカンドと呼ばれるようなワインは試飲できました。
まだまだ若いワインなので、毎年すぐに口の中ががちがちになり水で舌を洗ったりしながら試飲していました。
ところが、2009年ヴィンテージを試飲した時は、圧倒的な果実味により最後まで楽しく試飲ができ、これは凄いヴインテージだと驚愕した記憶が残っています。
今世紀に入ってからのボルドーワインは、飲み頃になる頃には私がすでに飲めなくなっているだろうと思い買い控えていたのですが、2009年はボルドー史上最高のワインになるであろうと確信し買い集めたヴィンテージです。
2012年に刊行されたワインアドヴォケイトの中で100点ワインは、
ボセジュール・デュフォー(サン・テミリオン)、ベルヴュー・モンドット(サン・テミリオン)、クリネ(ポムロール)、クロ・フルテ(サン・テミリオン)、コス・デス・トゥルネル(サン・テステフ)、デュクリュ・ボーカイユ(サン・ジュリアン)、レヴァンジル(ポムロール)、オー・ブリオン(グラーヴ)、ラトゥール(ポイヤック)、レオヴィル・ポワフェレ(サン・ジュリアン)、ラ・ミッション・オー・ブリオン(グラーヴ)、ラ・モンドット(サン・テミリオン)、モンローズ(サン・テステフ)、パヴィ(サン・テミリオン)、ペトリュス(ポムロール)、ル・パン(ポムロール)、ポンテ・カネ(ポイヤック)、スミス・オー・ラフィット(グラーヴ)、
そして99プラスに、
レグリーズ・クリネ(ポムロール)、ラフィット・ロートシルト(ポイヤック)、ムートン・ロートシルト(ポイヤック)、
99点に、
アンジェラス(サン・テミリオン)、シュヴァル・ブラン(サン・テミリオン)、ラフルール(ポムロール)、マルゴー(マルドー)、トロロン・モンド(サン・テミリオン)、ヴュー・シャトー・セルタン(ポムロール)
と続きます。
世紀のヴィンテージと言われ、パーカー氏が一躍スターダムにのし上がった1982年ですら100点ワインは10アイテムもなかったと思いますので、時代が違うとはいえその凄さがわかると思います。
そして、その翌年の2010年もなんと世紀のヴィンテージとなりました。
2013年に刊行されたワインアドヴォケイトの中で100点ワインは、
ボセジュール・デュフォー(サン・テミリオン)、シュヴァル・ブラン(サン・テミリオン)、ラ・ドーム(サン・テミリオン)、オー・ブリオン(グラーヴ)、ラトゥール(ポイヤック)、パプ・クレマン(グラーヴ)、ペトリュス(ポムロール)、ル・パン(ポムロール)、ポンテ・カネ(ポイヤック)ラ・ヴィオレット(ポムロール)、
99点に
ル・ゲ(ポムロール)、グラシア(サン・テミリオン)、マルゴー(マルゴー)、ラ・モンドット(サン・テミリオン)、モンローズ(サン・テステフ)、トロロン・モンド(サン・テミリオン)、ヴュー・シャトー・セルタン(ポムロール)
です。
2009年と比べると見劣りしますが、こちらが普通の世紀のヴィンテージです。
ボセジュール・デュフォー(サン・テミリオン)、オー・ブリオン(グラーヴ)、ラトゥール(ポイヤック)、ペトリュス(ポムロール)、ル・パン(ポムロール)、ポンテ・カネ(ポイヤック)が両年で満点を獲得していて、飲み頃になった頃にこれらを比較して飲むのが、ワイン愛好家の最高の贅沢と言えるでしょう。