【 スペインワイン2 】
スペインにおけるワインの生産量は年によって変化しますが、2015年はイタリア、フランスに続き3位でした。
スペインには17の自治州があり、イタリア同様にすべての自治州でワインが造られています。
スペインワインと言えば赤のイメージですが、白ワインの生産量は赤ワインとほとんど変わりません。
スペインワインは3000年の歴史があり紆余曲折はありましたが、現在のスペインワイン産業は大変活性化しており、品質の高いワインからコスパの良いワイン等々、様々なワインを輩出しています。
カバ
通常、ワイン法で原産地は1か所に特定されますが、カバは色々な地域が指定されているのが特徴です。
とはいえ全体の95パーセントがカタルーニャ州で生産され、そのうちの80パーセントはバルセロナの南西にある地区で造られます。
基本のブドウ品種は、マカベオ、チャレッロ、パレリャーダの3種の白ブドウです。
シャンパーニュに使われるシャルドネ、ピノ・ノワールも使用を認められています。
シャンパーニュ同様、瓶内2次発酵が義務づけられおり、チリやアルゼンチン等のスパークリングと比べてもコストパフォーマンスに優れています。
第10回、16回、27回に頒布しました。
リオハ
スペインワインと言えば、リオハ州の北部とナバーラ州、バスク州にまたがるリオハでしょう。
原産地呼称制度において(2003年に新設されたビノス・デ・パゴというちょっと特殊なカテゴリーがピラミッドの頂点と言うことになっていますが)トップカテゴリーにあたるDOCaに1991年にスペインで最初に認定されました。
テンプラニーリョが主たるブドウ品種で、赤ワインが全体の90パーセント近くを占めます。
第9回に頒布しました。
プリオラート
バルセロナの南西に位置します。
プリオラートでのワイン造りは、中世からの長い歴史がありますが1980年代の前半までは衰退した産業でした。
しかし、プリオラートの4人組(レルミタを造るアルバロ・パラシオス、クロス・モガドールのルネ・バルビエ、クロス・マルティネのホセ・ルイス・ペレス、クロス・デ・ロバックのパストラーナ夫妻)と言われるグループが、地元品種のガルナッチャ(フランスのグルナッシュ)やカリニェナ(フランスのカリニャン)を生かし、国際品種のカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーなどを用い最新技術を使ったモダンスパニッシュを造り上げたことにより現在の地位を得、リオハに続き2009年にDOCaに認定されました。
現在、DOCaに認定されているのはリオハとプリオラートだけです。
第26回に頒布しました。
リベラ・デル・ドゥエロ
リベラ・デル・ドゥエロはマドリッドの北、リオハの南西に位置します。
元々はスペインの最高級ワインであるベガ・シシリアで有名な地域でしたが、1980年代に入りアレハンドロ・フェルナンデスのペスケラがアメリカのワイン評論家ロバート・パーカー氏の高評価を得たことにより、内外の投資家が集まり一躍新進気鋭の高級ワイン産地となりました。
栽培されるほとんどのブドウがテンプラニーリョ(現地名でティンタ・デル・パイス、またの名をティント・フィノ)で、味わいは世界市場を意識しているため万人受けする欠点のないものとなっています。
第13回に頒布しました。
ルエダ、トロ、ビエルソ
ルエダ、トロ、ビエロソは、リベラ・デル・ドゥエロと同じカスティーリャ・イ・レオン州にあります。
ルエダはリベラ・デル・ドゥエロの西に位置し、スペインの代表的な白ブドウの一つであるヴェルデホや、ソービニヨン・ブランから造られる白ワインで有名な産地です。ソービニヨン・ブランをロワールから初めてこの地に持ち込んだのは、第23回に頒布したマルケス・デ・リスカル社です。
ヴェルデホは第22回に頒布しました。
トロはルエダの西に隣接し、テンプラニーリョから造る赤ワインで有名です。
ビエルソはガリシア州との州境にあり、メンシアというブドウを使用した赤ワインで近年急浮上してきた地域です。
第24回に頒布しました。
フミーリャ
フミーリャはスペインの東南に位置し、以前はバルクワイン(瓶詰する前の原料としてのワイン)の産地でした。
ここの代表的なブドウは、スペインが起源とされ、かつてはブレンド用の品種だったモナストレル(フランスではムールヴェードル)です。
フミーリャの赤ワインには最低50パーセントのモナストレルの使用が義務づけられています。
第3回に頒布しました。
リアス・バイシャス
リアス式海岸と言う名称の由来となったリアス・バイシャスは、ポルトガルの北に位置するガリシア州にあり、スペインで最も上質な白ワインを造る産地として有名です。 地場品種であるアルバリーニョから造られるワインは、フレッシュでフルーティー、魚介類との相性が大変良いことから「海のワイン」と呼ばれています。
第15回に頒布しました。
バスク州
オンダラビ・スリを主体として造る微発泡白ワインのチャコリで有名。主要な産地として、ゲタリア、ビスカイア、アラバがあります。
第7回に頒布しました。
カスティーリャ・ラ・マンチャ州
トレドを州都としスペインワインの全生産量の半分以上を生産しており、コストパフォーマンスの良いワインを数多く生産しています。
第7回、17回に頒布しました。
アンダルシア州
セビリアが州都で、シェリー酒の産地です。