(ドイツ モーゼル地方 リースリング100%)
ドイツにおいてフランスのA.O.C.やイタリアのD.O.C.にあたるのがクヴァリテーツヴァイン(以前はQ.b.A)とさらに上級のプレディカーツヴァイン(以前はQ.m.P)です。
プレディカーツヴァインは、クヴァリテーツヴァインと違い補糖(補糖とは、ワインを発酵させる前の段階の原料ぶどう果汁に糖を加えることで、ワインのアルコール度数を高めるために行われます。冷涼な産地や不作年等で普通に行われていて、ボルドーやブルゴーニュでは上限等の規定はありますが行われます。温暖なイタリアやカリフォルニアやオーストラリアでは禁止されています。)が許されておらず、果汁糖度によって低い方からカビネット、シュペトレーゼ、アウスレーゼ、ベーレンアウスレーゼ、トロッケンベーレンアウスレーゼとに分類されます。
その他に、最低果汁糖度がベーレンアウスレーゼの規定に準じ、氷結したブドウを収穫・圧搾して造るアイスヴァインがあります。
果汁に含まれる糖分は発酵によりアルコールに変わるので、果汁糖度が高いからと言って甘いワインができるわけではありません。
これとは別に、残糖度からトロッケン(4g/ℓ以下 辛口)、ハルプトロッケン(9~18g/ℓ 中辛口)という表示があり、最近では法的な数値基準はありませんが中辛口から中甘口くらいまでの味わいのファインヘルプという表示が好んで使われています。
とはいえ、生産者が明確な意図を持たない限り、果汁糖度の高さと残糖度には相関関係があります。
このシュペトレーゼは残糖度41.3g/ℓ、酸度7.4 g/ℓで、食中酒としても十分楽しめ、近年の嗜好の変化によりドイツワインも赤ワインや辛口の白ワインが増加している中、中甘口の懐かしい味わいのワインです。