(フランス ラングドック・ルーション地方 カベルネ・ソーヴィニヨン100%)
私がワインにはまった80年代から90年代にかけて南仏の赤ワインに使用するブドウといえば、コート・ロティやエルミタージュに使用するシラーを筆頭にグルナッシュ、ムールヴェードル、カリニャン、サンソー等でした。
カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロを使ったワインを飲んでもあまり美味しくは感じられず、ブルゴーニュ以外ではうまく育てられないといわれていたピノ・ノワールはなおさらでした。
もちろんいくつかの例外はありました。
シラー50パーセント、カベルネ・ソーヴィニヨン50パーセントで造られるプロヴァンスを代表する高級ワインのドメーヌ・ド・トレヴァロン・ルージュ。
1978年にリリースされたカベルネ・ソーヴィニヨンを8割ほど使用したマス・ド・ドマ・ガサック・ルージュ。(第2回に同作り手のワインを頒布。)
シラー40%、ムールヴェードル40%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%からなる1992年がファーストヴィンテージのラ・グランジュ・デ・ペール等々。
これらは知っているとちょっと自慢できる入手しづらい高級路線のワインでした。
90年代に入り栽培技術や醸造技術が進歩したことにより、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ピノ・ノワールを使いながら十分に美味しい低価格帯のワインをよく見かけるようになりました。
果実味が前面に来るタイプがほとんどで、複雑さや繊細さには欠けますが、気軽に飲むには十分だと思います。