(フランス ブルゴーニュ地方 ボジョレー地区 ガメイ100%)
ボジョレー地区では、特に優れた10のアペラシオンをクリュ・デュ・ボジョレーと呼びます。
北からサン・タムール、ジュリエナス、シェナス、ムーラン・ア・ヴァン、フルーリー、シルーブル、モルゴン、レニエ、コート・ド・ブルイィ、そしてコート・ド・ブルイィの中心にブルイィがあります。
クリュ・デュ・ボジョレーは、がっしりとした骨格があり長期熟成が可能なタイプと、エレガントでフルーティなタイプにわけられます。
前者の代表が、第20回に頒布したムーラン・ア・ヴァンやモルゴンです。
後者の代表がサン・タムールやフルーリーです。
私がワインに興味を持った1980年代は、まだニューワールドの低価格帯のワインはほとんどなく、ブルゴーニュのピノ・ノワールの下位に位置するのがこれらのクリュ・デュ・ボジョレーでした。
フランス料理店で、予算をそんなにかけたくない時によくオーダーしたものでした。
その後、ボジョレー・ヌヴォーはブレイクしましたが、クリュ・デュ・ボジョレーはだんだんと日本では見かけなくなってきました。
サントリーが扱っているボジョレーの帝王ジョルジュ・デュブッフは、すべてのクリュを生産していて、当時は同一ヴィンテージで10のクリュを飲み比べとかも可能でした。
サントリーのホームページを見ると、販売が芳しくないのか、サン・タムール、ムーラン・ア・ヴァン、フルーリーしか今は扱っていないようです。
私は下手なピノより良いと思うのですが、いかがでしょうか。
フルーリーはクリュ・デュ・ボジョレーの女王と言われ、このレ・モリエはフルーリーの中でも非常に優れた畑の一つとして知られています。
私が、若いガメイに感じる、小さい頃によく食べたロッテのブルーベリーガムの香りがします。