(フランス ルーション地方 グルナッシュ75% シラー25%)
パリの1区にル・グラン・ヴェフールというレストランがあります。
1784年に創業されたこのレストランは、1948年に巨匠レイモン・オリヴェがオーナーになり全盛を迎えます。
その後、低迷しますが1991年、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったギー・マルタンが料理長に(現在はオーナー)就任したことにより、再び話題のレストランとなりました。
私は、1998年にミシュラン2つ星だったこのレストランに伺いました。(2000年には3つ星を獲得しますが現在は2つ星。)
料理はうわさにたがわず素晴らしく、合わせたワインはシャトー・アンジェラスの90年。
このワインも秀逸で、ソムリエが「素晴らしい、はじけているね」とか食事中に何度か声をかけてきました。
そして、デセールにチョコレート系のプレートを頼んだ時、ソムリエがデセールに合わせたワインを飲まないかと尋ねてきました。
「チョコレートにワインを合わせるのは難しい。でもこれは間違えなく合うワインだ。」と言いながら持ってきたのがモーリーでした。
ソムリエの言う通り、カカオの香りがあふれ、チョコレートとのマリアージュは約束されているようなワインでした。
ルーション地方は、モーリーやバニュルス、リヴザルト等の天然甘口ワインの宝庫ですが、現在嗜好の変化によりどれも危機的な状況です。
そこで活路を見出すべく辛口ワインにも力を入れるようになり、辛口のモーリー(赤)は2011年にAOCに認められました。(甘口のモーリーは白も赤もあり1936年にAOCに認定されています。)
このモーリーも、カカオの香りを感じ取ることができると思います。