(フランス シャンパーニュ地方 ピノ・ノワール50% ピノ・ムニエ45% シャルドネ5%)
私は、ワインリストはソムリエの作品だと思っています。
以前、ワイン&ソムリエという雑誌でスーパーバイザーという立場で顔なじみのソムリエ10人に声をかけ、レストランのワインリストを公開し掲載するという仕事をしたことも有りました。
グラスワインも同様で、一つ一つ意味のあるものでなければならないと思っています。
今年の夏、今話題のグランメゾンに行ったとき、いつも通りアペリティフにシャンパーニュをオーダーしました。
グランメゾンの場合、グラスシャンパーニュを3種類程度用意しているところが多いように思います。
このレストランでも、有名メゾンのノンビン、ロゼシャンパーニュ、そしてピノ・ムニエ100パーセントからなる少し変わりダネ、の3種が用意されていました。
前者のふたつはよくあるパターンですが、真夏の暑い時期に残りの1本にブラン・ド・ノワールのそれも変わり種のピノ・ムニエからなるシャンパーニュを用意していることに、私は疑問を感じてしまうのでした。
ソムリエの話を聞くと、食べに来る人が飲んだことのないであろう変わったシャンパーニュをご用意しました、という狙いのようでしたが、冬ならともかく真夏にはどうかと思ってしまいます。
グランメゾンなので、暑い時期とはいえ、街場のレストランでは扱えないドンペリ、クリュッグ、ルイ・ロデレールのクリスタル等の重厚なシャンパーニュをグラスでご用意しました、というのならまだわかりますが、ここは3番目にはブラン・ド・ブランを用意するのが定石ではないかと思います。
ブラン・ド・ブランでも高価格帯の物は濃度がありしっかりとしてはいますが、それでもブドウの特性から基本は酸で構成されています。
グランメゾンでなければ扱いづらいであろう、ジェームス・ボンドの好きなテタンジェ・コント・ド・シャンパーニュ・ブラン・ド・ブランが用意されていたら、優秀なソムリエの方だなーって思ってしまうのですが。
今回は、寒い季節なので、ブラン・ド・ノワールではありませんが、95パーセント以上が(年によって変わります)黒ブドウからなるシャンパーニュです。
しっかりとコクがあり、冬にピッタリのシャンパーニュだと思います。