エル・ブエン・ロージョ・トロ 2019

El Buen Rollo Toro 2019

(スペイン カスティーリャ・イ・レオン州 トロ テンプラリーニョ100%)
トロは90年代にそのポテンシャルが見いだされ、リベラ・デル・ドゥエロの雄ベガ・シシリアやフランスの巨大コングロマリットのモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン等の著名な生産者たちが投資を行うようになり、より洗練されたワインが造られるようになりました。 しかし元々は、地元でティンタ・デ・トロと呼ばれるテンプラニーリョを使ったアルコール度数の高い濃厚な赤ワインを生産していました。 このワインはアルコール度数16パーセントの濃厚フルボディータイプで、謳い文句は、樹齢30-60年の接木をしていないピエ・フランコ(自根)のブドウを使用していることです。 ブドウの木の天敵であるフィロキセラに対抗するため、ヨーロッパのブドウはそのほとんどがアメリカの台木に接ぎ木されています。 あのロマネ・コンティも、1945年までなんとか接ぎ木を避けていたのですが、とうとう耐え切れずすべてのブドウの木を引き抜いたことは有名です。 このことにより、ロマネ・コンティは1946年から1951年まで生産されていません。 台木はアメリカの物を使わずラ・ターシュの物を使用したそうですが、接ぎ木前と接ぎ木後は味が異なるといわれ、接ぎ木前の最後のヴィンテージである1945年物は、600本しか生産されていないことと、1945年が世紀のヴィンテージだったこともあり、2018年のアメリカのオークションで約6000万円で落札されたことが話題になりました。 また、1990年にシカゴで行われたクリスティーズのオークションに1947年のロマネ・コンティが目録に載った時は、業界に衝撃が走りました。 話がそれましたが、ピエ・フランコのワインに出会われたら少し割高ですが、試してみるのも面白いと思います。

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