(フランス ラングドック地方 シラー60% グルナッシュ20% ムールヴェードル20%)
15年ほど前に、フランス大使館の招待で、ラングドック地方に出張に行ったことがあります。
以前、ラングドック地方のワインは、フランス国内で低価格帯のワインとして日常的に飲まれ、またパリのビストロ等で下支えのワインとしての役割がありました。
しかし、イタリアやスペイン、そしてチリやアルゼンチン等から、ものすごく安価なワインが入ってくるようになり、ラングドックのワインは中途半端な位置づけとなってしまっていたのです。
そこで、ワインを水代わりに飲んでいたフランス人よりは、明らかに高いワインを飲んでいる日本人に向けてラングドック地方のワインをプロモートするために、インポーターが招待されたのでした。
最初の3日間は、コルビエール漬けでした。
午前、午後と試飲会場で試飲するのはもちろんのこと、ランチやディナーにも生産者が来て、一人の生産者と話している間にも、他の生産者が自分の造ったコルビエールを次から次へとグラスに注ぐので、もう何を飲んでいるのかわからない状況でした。
3日間でコルビエールだけで300種類はテースティングしました。
ブドウの品種は、シラー、グルナッシュ、ムールヴェードル、サンソーが主体なので、そこまで味わいの変化があるわけではなく、私の中では最も厳しいテースティングだった記憶があります。
コルビエールは、ラングドックで最も規模の大きいA.O.Cなので、出会う機会も比較的多いと思います。
ブレンドする時、単一品種を80パーセント以上使用してはいけないという規定があるのですが、おおざっぱに言えばそれに近い比率でシラーが使用されているものを選べば、外れる確率は低くなるのではと思います。